マルチメディアコンピューティング研究室を志望する人へ

マルチメディアコンピューティング研究室は、現在、卒研生(システムデザイン工学部 情報システム工学科)、及び大学院生(修士:システムデザイン工学研究科 情報システム工学専攻、博士:先端科学技術研究科 情報通信メディア工学専攻)を受け入れています。

学生(卒研生・大学院生)へのメッセージ

卒研生、大学院生としての研究室での研究生活は社会人に向けた重要な準備期間となります。特に研究室での研究生活において、今後の就職活動や社会人生活に向けて心がけておきたいことを書いておきます。

  • 向上心

 会社は社会人としての成果を求めていますので、基本的に自分から行動ができず「指示がないと仕事ができない人」は結果を出すのも難しいと考えます。また、社会人として会社からは高いスキルと結果を求められます。そのためには、常にスキルアップする向上心が必要と考えます。そのため、向上心のない人は、徐々に周りとの差が開いていくことになります。

  • スキル、能力

 上記向上心とも関係しますが、スキル、能力が高い人は就職活動でも即戦力と判断されるので有利と考えています。特に大学院生は研究活動を通じて自分のスキル、能力を磨いていく必要があります。将来、就職を希望する会社の事業に対して、自分のスキル、能力がどのように役立つのかを考え、そのことを採用面接で伝えられると、会社に良い印象を与えることができるでしょう。ですので自分のスキルや能力がどのように会社に貢献できるかを、入社を希望する会社が展開している事業と合わせて検討していく必要があります。

1.卒研生(学部生)

当研究室は卒研生としてシステムデザイン工学部 情報システム工学科の学生を受け入れています。当研究室の配属希望者は、3年生の前期末に研究室配属のアンケートがありますので、その際に当研究室を希望してください。現在、基本的には所属ドメイン(データサイエンス、ネットワークコンピュータ)に関係なく希望者を受け入れる方針としています。

その後、3年生後期に研究室に仮配属されると、3年生後期は仮配属された研究室単位で情報システム工学実験Ⅱ(月曜3、4限)を履修します。また、4年生になると通年科目の卒業研究A、卒業研究Bを履修し、研究室単位で卒業研究を実施します。

現在の卒業研究のテーマの選定方針は、基本的には学生が自分自身が考えた好きなテーマを選択することを優先し、最終的に教員と相談する形で決めていきます。過去の卒業研究テーマは、「Research」を参考にしてください。

2.大学院生(修士課程)

当研究室では、システムデザイン工学研究科 情報システム工学専攻の修士学生、先端科学技術研究科 情報通信メディア工学専攻の博士学生を受け入れています。特に、所属学生には大学院(修士課程)への進学を推奨しています。修士課程においては、主に研究活動を通じて、高い専門性の習得を目指すともに、理工系であることのメリットである、論理的思考能力、数理的処理能力、IT分野での専門知識など、修了後の就職活動において文系学生が得意としない分野にて差別化を図ります。ですので、将来、従業員1,000名以上の大企業などで研究・開発職を希望される方は修士課程への進学をご検討ください。

本学の入試センターが作成した大学院進学ガイド2024による大学院進学のメリット(6点)をあげておきますので、キャリアを検討する際の参考にしてください。

(1)高い専門性の取得、(2)就職の選択肢が広がる、(3)生涯年収の向上、(4)プレゼンテーション能力の向上、(5)海外で研究内容を発表するチャンスがある、(6)「指導的立場」の体験

修士課程への進学希望者は、学内推薦入試(A日程:5月、B日程:9月)、または一般入試(前期:9月、後期:2月)のどちらかを受験してもらうことになります。学内推薦入試の受験を希望する場合は、学部での成績を上げておく必要があります。また、一般入試は東京電機大学以外の方も受験可能ですので、過去の修士研究のテーマなどを確認頂き、当研究室での研究に興味を持った人はぜひご連絡を頂ければと思います。

大学院入試に関して、詳しくは「大学院入試」を参考にしてください。

修士研究のテーマ選定方針は、卒業研究と同様、基本的には学生が自分自身で考えた好きなテーマを選択することを優先して教員と相談して決めていくことになりますが、修士研究は2年間を通じて定期的に学会発表を実施し、そのフィードバックを元に、適宜テーマを見直しながら研究を続けていくことを基本方針としております。過去の修士研究のテーマは、「Research」を参考にしてください。

また、修士課程は、外国の4年制大学を卒業した留学生の進学希望者も積極的に募集しています。出願資格は、「外国で4年制の大学を卒業し、「学士」の資格を保有する者」、「日本語能力試験において、N1または N2 に合格している者」になります。上記の条件を満たし、当研究室の研究テーマに興味を持った人はまず本学の国際センター経由でご相談頂くことになります。システムデザイン工学研究科の留学生特別選抜入試は例年、前期(9月)と後期(2月)になりますので、当研究室の研究テーマに興味を持った留学生の方はお早めにご相談ください。

多くの留学生の方は修士課程修了後に日本での就職を希望されると思いますが、留学生の採用において、近年日本企業が最も重要視しているのが、日本語能力になります。9割以上の日系企業においては、英語能力が十分であれば日本語能力はN2でも可となっていますが、英語能力のない留学生はN1取得が必須となりますので、その点は特に留意しておいてください。

3.大学院生(博士課程)

当研究室では、システムデザイン工学研究科 情報システム工学専攻の修士学生、先端科学技術研究科 情報通信メディア工学専攻の博士学生を受け入れています。博士課程への進学希望者は、学内推薦入試、一般入試、社会人入試(前期:6月、後期:1月)を受験してもらう形となります。現在、当研究室には博士課程の学生は所属しておりませんが、教員としては博士課程を含めた大学院を充実させていきたいという強い思いがあり、博士課程への進学を希望する修士学生、企業等に在籍したまま博士号取得を希望する社会人の方を積極的に受け入れたいと思いますので、当研究室での博士号取得に興味を持った人はぜひご連絡をお願いします。

■博士課程進学を希望する修士学生 (課程博士)

博士課程の修了要件は、3年以上の在学、14単位以上の取得、博士論文の審査、最終試験に合格となります。また、博士論文の審査要件として学会誌等に1編以上の単著論文、または本人と指導教員を含む共著論文が採録される必要があります。また、1回以上の国際会議での発表実績があれば英語の試験は免除となりますのでこちらも必須と考えています。以上をまとめると、大きくは前半の2年で学会誌への論文採録、国際会議での発表を目指し、最後の1年で博士論文審査を目指すという流れとなります。

現在、本学では大学院博士課程(後期)の在学者全員(国費留学生、企業派遣、休学者及び留年者を除く)に対して、学費援助として学術振興基金から奨学金を給付する制度があり、実質学費は減免になっています。また、修士課程と同様、日本学生支援機構の大学院第一種奨学金の受給資格や副手制度もありますので、学費の問題は軽減できます。

本学では、博士課程の学生の支援を目的とした「若手研究者育成支援制度」を導入しています。この制度は、日本学術振興会特別研究員制度に準じ、大学院先端科学技術研究科(博士後期課程)に所属する優秀な大学院生を対象に、大学院生の身分を有したまま一定の収入を保障する「特任助手(任期付)」として本学が雇用し、研究者としてのキャリアを支援する制度です。ただし、任用の前年度に日本学術振興会特別研究員(DC1,DC2)への申請が前提となりますが、博士課程から特任助手として任用された場合、待遇は、月収が20万円×12ヶ月、研究費が上限50万円/年、学会出張旅費補助が上限20万円/年、となります。

博士課程1年から特任助手への任用を希望する場合、前提条件として修士2年の5月に日本学術振興会:特別研究員-DC1を申請する必要があることから、博士課程への進学を希望する場合は修士課程に入学した段階で(できれば学部4年生の時から)、DC1の申請に向けた研究を推進していく必要があります(参考までに、R5年度の情報学分野のDC1採用率は17.5%(申請:320名、採用:56名)と非常に厳しい世界です。なおDC2採用率は19.6%。)。

■博士号取得を希望する社会人の方 (課程博士、論文博士)

指導教員は企業に在籍しながら大学院の社会人博士課程で博士号を取得した経験があり、特に社会人の在職での博士号取得を積極的に支援していきたいと思っています。社会人の方で当研究室で在職での博士号取得に興味を持った方はぜひご連絡をお願いします。

社会人での博士課程の修了要件は通常の課程博士と同様3年以上の在学、14単位以上の取得、博士論文の審査、最終試験に合格となります。また、博士論文の審査要件として学会誌等に1編以上の単著論文、または本人と指導教員を含む共著論文が採録される必要があります。また、1回以上の国際会議での発表実績があれば英語の試験は免除となりますのでこちらも必須と考えています。以上をまとめると、大きくは前半の2年で学会誌への論文採録、国際会議での発表を目指し、最後の1年で博士論文審査を目指すという流れとなります。

現在、本学では大学院博士課程(後期)の在学者全員(国費留学生、企業派遣、休学者及び留年者を除く)に対して、学費援助として学術振興基金から奨学金を給付する制度があり、実質学費は減免になっています。当然ですが、学費を所属企業が負担している学生の場合、本奨学金を二重に受給することはできません。

また、現在、東京電機大学では、課程博士以外にも論文博士という形でも博士号を取得することが可能です。大学卒業後に5年以上研究開発に従事した方で研究業績がある場合は、論文博士の審査を受けることができます。また、論文博士の審査要件としては当然ではありますが博士課程よりも厳しく、目安としては学会誌等に3編以上の共著論文の採録、英語に関しては1回以上の国際会議での発表実績となります。社会人の方でも博士号を取得することが可能ですので、詳しくは、「博士論文審査手続方法」を参考にしてください。不明な点はフォローしますのでご相談ください。

4.大学院での奨学金について

当研究室では所属学生に大学院(修士課程)への進学を推奨していますが、学費などの費用面を気にしている学生も多いことから、大学院生を対象とした奨学金のうち重要と考えているものについて整理していきたいと思います(詳しい情報は「奨学金」を参考にしてください)。

  • 入学金

まず、大学院に進学する際には入学金が必要になります。入学金の金額は内部進学の場合は8万円、外部からの進学の場合は25万円です。

4年生に進級してすぐの4月に実施される大学院入試(学内推薦A日程)の出願時にあわせて本奨学金の申請を行います。出願時の申請に基づき各学科にて選考され給付が決まる奨学金です。奨学金の給付額は20万円です。大学院への学内推薦、本奨学金の給付のためには、学部での成績を上げておくことが重要になります。

  • 東京電機大学:大学院進学貸与奨学金

本学学部在学生で学内推薦入試または一般入試(前期)を経た本学大学院修士課程の入学予定者を対象に、第2回入学手続金のうち修士1年の前期授業料相当額(50万円)を無利子にて貸与する制度になります。修士修了後、5年間で返済する制度設計となっています。

本学大学院(修士課程、博士課程)に在学する女性学生を対象とした奨学金で、1)本奨学金の趣旨を理解すること、2)学内の大学行事にて学生ボランティアスタッフとして協力すること、3)後輩への大学院進学の意義の啓発、奨学生間の活発な交流の促進等に努めること、を給付条件とした奨学金です。奨学金の給付額は年間10万円で、1度給付を受けても再度応募が可能ですので修士課程では2回応募できます。当研究室に所属した女性の大学院生の応募実績がありますので、本奨学金に興味がある人は相談してください。

日本学生支援機構による大学院を通じて募集を行う貸与型の奨学金です。第一種奨学金は無利子の奨学金で、大学院(修士課程)の場合、月額5万円、8万8千円からの選択、大学院(博士課程)の場合、月額8万円、12万2千円からの選択になります。

本奨学金の特徴の一つとして、特に優れた業績による返還免除の認定制度があります。修了年度に返還免除申請を実施すると、研究科内の選考に基づき返還免除(全額または半額)の対象者が決まります。特に大きなウェイトを占めるのが学外での学会発表実績や受賞実績がポイントとして加算される仕組みになっていますので、大学院での研究活動を頑張って研究実績を積み重ねることで、返還免除に近づくことになります。当研究室の大学院修了生の中で、複数の学生の認定実績がありますので、本制度に興味がある人はご相談ください(日本学生支援機構:大学院第一種奨学金:特に優れた業績による返還免除の認定)。

  • 副手制度

大学院生が学部生の実験・演習の授業補助等を担当することで一定の手当が支給される制度です。本研究室所属の大学院生には副手制度への登録を推奨しています。副手給与は週1コマ契約で月額10,700円、半期単位(前期:4~8月、後期:9~1月)での契約になっています。前述した日本学生支援機構の第一種奨学金に副手(できれば複数コマの担当)を組み合わせることで、大学院で必要な学費をほぼ学生個人で負担できる計算となります。